ということで最後に番外編として、開業後の事から将来の夢まで書かせていただきます。ので、ちと長いよ。
1996年12月に開業したぬかびらユースですが、糠平温泉にありながら温泉もなく、改装したとはいえ建物も古いということもあり、『1年持つのかなぁ?』というのが、私の予想でした しかしユースホステルに加盟できたおかげで、夏ごろから順調にお客さんが入るようになり、何とかその年を越すことができ、2年目以降はリピーターさんもついてくれて、借りたお金も順調に返すことができました。
そして10年目の2006年に温泉の利用権を借りて、温泉ユースとしてリニューアルオープンすることになりました。ちょうどいい機会だったので、思い入れのあった建物も建て直すことに。
あんなに頑張ってくれた建物が、わずか数日でがれきの山に
お疲れさまでした、旧ユース。この建て直しの過程に興味がある方は、『ぬかびらユース新築レポート』を見てね。
現在の建物で営業してからは4年がたちました。おかげさまで借金も返せているので、もうあとはこのまま危険な賭けに出ることなく、ダラダラと20年ぐらい営業したいものです。その間に機会があれば、“これから宿を始める”という人を育ててみたいですね そして、その人の宿が大成功したら、『あいつは俺の弟子なんだ』みたいなことを言いてぇなぁ。まあ、逆にその人が失敗して夜逃げしたとしたら、『そんな奴いたっけ』的なことを言うような男ですが、それでもよかったら、誰かうちで修業しませんお金にはならないけど、せんべぇのやってる程度のことでよければ、全部教えてあげる。ただし、開業地はうちから半径150キロ以上離すように
そして出来れば、最後の最後に大きな勝負に出たいですね それはこのユースを誰かに売ること。願わくば、その頃(25年ぐらい先?)自分が始めた時と同じくらいの歳で、“こいつは!”という人を見つけて、譲ってあげたいです。ただこれは難しいでしょうなぁ。
マルクスさんの言葉に『商品から金への命がけの飛躍』という言葉があるそうですが、うちのユースを売るのはまさにこの言葉通りに思えるもの。なにせ、いくら売りたくても買い手がいない限り成立しない勝負だからねぇ。今まで自分なりにしてきたつもりの勝負も、どちらかと言えばこっちがお金を出す側。つまり勝負するしないのイニシアチブが自分の側にあったけど、ユースを売るときには相手側に主導権があるような気がする そこを何とかぬかびらユースはいい宿だとだまくらかして、じゃなくって、勘違いさせて、でもなくって、ご理解いただいて、快く大金をお支払いいただかねばなりません。なにせ、この宿をうっぱらったら、せんべぇ一家にはなーんにも残らないからねぇ 老後の生活費をこの局面で生み出すほかありません。 そのためにも、これからずっっとお客さんに気に入ってもらえるように頑張って、『買ってもいいかな?』と思えるぐらいの人気はある宿にしてゆくつもりです。
というわけで、いま小学生ぐらいのみなさ~ん大きくなったらうちを買いませんか~おじさんが高く売ってあげま~す
おしまい
PS.how to make せんべぇ いかがでした?ご感想を聞かせてね。
- nacky (2010年07月26日 23時16分)
- こんばんは。気がつけば、しっかり読んでました。
頑張ってきたんですねぇ。でも何より運が強かったんじゃないでしょうか?
宿やりたいですね。
せんべぇさんの歴史みたいに読ませていただきました。
開業のころはほんと、若かったですね。お互いに。 - せんべぇ(2010年07月27日 00時06分)
- ホント昔から“ここぞ”という時の運は強いんです。
というより、『おまえは運だけでやってきたなぁ』と身近な人に言われたこともある
開業の頃やその前の写真みると、『自分にも若い時代があったんだぁ』と遠い目をして振りかえる今日この頃です。
読んでいただき、ありがとうございました。
- 栃木の黒牛ゆざわ (2010年07月27日 00時02分)
- おひさしぶりです!
密かに毎日のようにブログをチェックして、一生懸命読んでましたっ!(これからも読みますよ~)
特に「砂漠のノミ」はikuちゃん共々感動した作品です。
私も今、学位取得のための博士論文の作成ですっごく辛くて、しょっちゅうikuちゃんに泣いて電話してます。
でも、ブログを読んで私も頑張ってみようと思えました!
ありがとうございますっ!またお邪魔しに行きますね。 - せんべぇ(2010年07月28日 23時46分)
- おおっ、栃木の黒牛さん!
あなたのような方がいてくれたおかげで、最近妙にアクセス数が増えていたんだね
他のお仕事をしながらの博士論文、大変でしょうけど頑張ってくださいね。なんだかんだ言ってもあきらめないで続けていれば、きっと上手くいくと思います。いざとなったら最後の手段で、ikuちゃんが黒牛さんを嫁にもらってくれると思うし(笑)
また会えるのを楽しみにしていまーす
- トイレ君(以下、敬称不要) (2010年07月27日 00時06分)
- せんべえさんの所へ行きたいものの、既に6年くらい遠ざかっているトイレ君です。今年こそは…。
私も北海道で宿を…と意気がってみたものの夢敗れ、舞い戻ってきてしまった口です。せんべえさんの一連の歴史物は興味深く拝読させて頂きました。やはり私などとは本気度が全然違いましたね。流石と言う他は有りません。
最初から最後まで唸りっぱなしの私でしたが、タダひとつだけホンのチョッピリ不満なのは、宿を計画し、始め、経営して行く過程でお世話になった人々の事が(感謝を込めて)こと細かに書かれているにも関わらず、一番身近で支えてくれた人の事が何一つ書かれていない事です。
意識して書かなかったのだろうとは思いますが、チョット寂しい気がしました。
今年は糠平で年越ししたいと思います。
トイレ君が誰であるか、年末にそちらを訪れる(事が出来るように頑張ります…)まで、「誰だコイツは??」と頭を捻っていて下さい。
- せんべぇ(2010年07月28日 23時57分)
- え~、誰だろう、トイレ君ってすげー気になる。
宿屋を目指された方ですか???
『本気度が違う』などと書いていただきましたが、自分の場合はたまたま運がよく、本気に取り組めるチャンスがいくつも与えられただけだと思います。それに乗って、一段ずつ登って行ったら『あれ、こんなところまで来られた』というだけのこと。お金があれば別でしょうが、宿屋を始められるかどうかは、本人の実力以外のところで決まってしまうのが切ないですよね。
だから運良く開業した自分は、宿を目指した他の人の分まで頑張らないといけないんだろうと思います。(ちょっと恥ずかしいですが‥‥)
- 北海道大好き@おっちゃん (2010年07月27日 00時34分)
- せんべぇさん!こんばんは!私も最初から最後まで読ませてもらいましたよ。私と同年代で本当に素晴らしいと感じています。先日、会社の若い後輩に『砂漠のノミ』の話を偉そうにしました(笑)真から理解してるか分からないですけどね(汗)これからはもうあまり若く?ないのですから体調は気を付けて乗り切って下さい。次回、10月にお世話になりますのでよろしくお願いします。あ〜早く北海道に行きてぇ〜!!!
- せんべぇ(2010年07月29日 00時04分)
- 『砂漠のノミ』予想以上に好評だったんですね
でも、自分と同じように感じていただける人がいてくれるのは、心強くもあります。これからみんなでこの話を広げて、『深イイ話』に取り上げてもらいましょうか(笑)
では、秋にまたお待ちしています。
- やま (2010年07月27日 10時49分)
- もうおしまいですか。
23回もありましたっけ。
YHを買いたいですが、私には資格はなさそうです。
でも先日は南の島で、別館開業候補地を探してきましたよ?ところで、トイレ君様のコメントにもありますが、ちょっと物足りないところもあります。で、紅葉シーズンが終わって、お客さんが減ってきたら続編をお願いします!!!
- せんべぇ(2010年07月29日 00時09分)
- 書きましたよ~、恥ずかしげもなく自分のことを23回も
『物足りないところ』ですねぇ‥‥
まあ、そういうことを書くのは苦手なので勘弁してくださ~い!
また、今回の話は自分の中で“過去のこと”ですが、開業以降は“現在進行形”なので、ちょっと無理です。遠い先にYHをうっぱらえたら、その時にでも書きましょうか(笑)
- 情報システム部 (2010年07月27日 22時22分)
- 全23回、楽しく読ませていただきました。
苦労して(?)ユースホステルに加盟した甲斐があったのですね。
そういえば、初めてぬかびらユースに泊まろうと思ったきっかけは、前日泊まった他のユースで泊まりあわせた人からの口コミでした。(「糠平に食事の美味しいユースができたよ。」という内容でした。)
当時、インターネットは今ほど広く普及していなかったので口コミが第一の情報源でしたからね。
- せんべぇ(2010年07月29日 00時13分)
- いつもお世話になっている情報システム部長殿
初めて来てくれたのは確か最初の冬でしたねぇ。YHに加盟した直後に来る人は、どうやってうちのこと知ったのかな?と長く疑問でしたが、ようやく謎が解けました。そういえば以前は、直接人から人への口コミが絶大な威力でしたね。最近はネット上の口コミを読んで来てくれる人もいるようで、ここ10数年の変化を感じます。
では、これからもよろしくお願いしま~す。
- 栗太郎 (2010年07月28日 22時31分)
- ぬかびらは暑いですか?最初の頃2回利用した者です。順調に経営されているようで何よりです。僕が泊まった建物はもうないんですね。今は小さい子供がいてなかなか行けませんが、次回はぜひ家族で泊まりたいと思います。
- せんべぇ(2010年07月29日 00時16分)
- 栗太郎さま
初期に来てくれたお客さまですか!
あの建物はもうなくなってしまいました。でも、現YHの談話室の床だけ、旧YHの廊下に使っていた板を持ってきました。いつかご家族でいらっしゃったときに、ぜひ見てください。もしかしたら、古い建物のことを思い出していただけるかなぁ? お待ちしています。
- とし@愛知 (2010年07月29日 15時11分)
- こんにちは。こっそり時々覗いていましたが最終回を迎えたのですね。
いろいろなドラマがあったようで面白かったです。25年後は私も年を取りすぎているので買い取ることはできませんがときどき遊びにいかせてもらいますね。
- せんべぇ(2010年07月29日 18時48分)
- とし@愛知 さま
コメントありがとうございます。
過ぎてしまえば、我ながらいろいろあったもんですねぇ。
その当時は“なんとなく”日々が過ぎて行くばかりでしたが
これからもまたどうぞ遊びに来てね。
- えみ (2010年08月06日 09時39分)
- せんべいさ~ん
記念すべき100パチ目ゲットしちゃいました☆ - せんべぇ(2010年08月06日 23時15分)
- おや、元ヘルのえみちゃんだ~
そろそろ北アルプスにお出かけでしょうか?
パチパチありがとうね。おかげでこのシリーズ、自分としては驚異的な拍手をいただきました。
でも、終わったらブログ自体へのアクセス数が急落 う~ん、これからもみんな読んでね~。